うつわ祥見KAMAKURAプロデュース《うつわ小説》シリーズ第3弾いしいしんじ著『先生の庭』刊行記念特別展&トークイベントが銀座・森岡書店にて行われます

うつわ祥見KAMAKURAプロデュース《うつわ小説》シリーズ第3弾いしいしんじ著『先生の庭』刊行記念特別展&トークイベントが銀座・森岡書店にて行われます

 
私たちは、自然からいただいたものを「うつわ」に盛っていただきます。「うつわ」に注がれた水で、からだとこころを潤します。家という「うつわ」の中で日々を過ごし、この世に別れを告げたのち、私たちの体は焼かれて「うつわ」に収められます。
「うつわ」をテーマに書く「うつわ小説」は、いしいしんじさんの書き下ろし小説シリーズです。
昨年、第1作目『からっぽの光』と第2作目『皿をまわす』が発表され、5月にいよいよ第3作目『先生の庭』が刊行となります。
ふとしたきっかけから茶道の世界に出会った主人公、亜美。初めてお茶碗を手にする亜美に先生は優しく語りかけ、お茶の深い世界へと導かれていきます。思いがけないできごと、思いがけない出会いをきっかけに、時を超えた人生の不思議に出会っていく姿が描かれる、力強いストーリーです。表紙は陶芸家・矢尾板克則さんの描き下ろしの画となりました。
この『先生の庭』の刊行を記念して、うつわ祥見セレクトのうつわ展と、いしいしんじさんの楽しいお話に耳を傾けるトークの時間を持ちます。ぜひお出かけください。
 
 
器はみな土でできています。きのうふと開いたものすごく古い聖書のページに、お前たちは塵として生まれ塵にかえるのだという有名な文言があり、あ、人間も器だな、と思いを改めた次第でした。うつわを書くのは小説の基本なのかもしれません。──いしいしんじ
 
 

うつわ祥見KAMAKURA特別展「ちゃわん展」
参加作家:荒川真吾 境道一 矢尾板克則 横山拓也 吉田直嗣 
会期:2025年5月13日(火)から5月18日(日) 13時から19時
会場:森岡書店(東京都中央区銀座1-28-15 鈴木ビル1階 電話03-3535-5020)
 
 

『先生の庭』刊行記念トーク
 「塵(ちり)から塵(ちり)へ」
出演:いしいしんじ
日時:5月16日(金)19時-20時30分 ※18時半開場 
会場:中小企業会館 9階講堂(東京都中央区銀座2-10-18)
入場料:2000円

ご予約はこちらから


 
 
いしいしんじ
作家。1966年大阪生まれ。1994年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞、2012年『ある一日』で織田作之助賞大賞、2016年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『ぶらんこ乗り』『プラネタリウムのふたご』『海と山のピアノ』『みさきっちょ』『マリアさま』など多数の著書をもつ。現在京都在住。
 
うつわ祥見 KAMAKURA
2002年にオープン、現在は「うつわ祥見onari NEAR」「うつわ祥見KAMAKURA」「うつわ祥見KAMAKURA concierge」(いずれも鎌倉)と「SHOKEN IZU」(伊豆高原)を拠点に、全国および海外のギャラリー、美術館等でうつわ展を開催する。2010年高知県立牧野植物園にて開催した「樹と言葉展」をきっかけに、いしいしんじ氏と親交を深めてきた。
 
 
「うつわ小説」シリーズ
うつわ祥見 KAMAKURAプロデュースにより、「うつわ」をテーマにいしいしんじさんが書き下ろす小説シリーズ。物語のなかに印象的なうつわの姿があり、私たちの身近にあるうつわの存在を心で感じさせてくれる世界で唯一のシリーズです。1作ごとに大胆な工夫を凝らした吉岡秀典さん(セプテンバーカウボーイ)によるブックデザインでも注目を集めています。
 
『からっぽの光』 2024年7月刊
牧野マキ先輩がアンデス高原に行く1年間、留守を預かることになったアユコ。植物や食器とともに先輩のマンションに住み、押しかけてきた弟のソウとの暮らしが始まる。日常の何気ない景色を描きながら、私たちを取り巻くさまざまなうつわと、そこに注がれ、あふれる光や音の姿を描き、私たちの生の輪郭を照らし出す……「うつわ」をモチーフに、読む者を根源的な場所へと誘う力強い物語。
1500円(本体価格・税別)
 
『皿をまわす』 2024年11月刊
DJとうつわ作家の不思議な出会い。レコードプレーヤーのターンテーブルと轆轤(ろくろ)にそれぞれ向き合い、ほんとうに大切なことから目をそらさずに、それぞれの世界を生きてきたふたりが「皿」を通して交錯する奇跡を描く。「一度うまれたろ、それが大事なんだよ。うつわってものは、いつか、必ずこわれる。けど、まずうまれなきゃ、なんにもはじまらない」(本書より)。小説の内容に合わせ、紙製レコードケース入り。
1500円(本体価格・税別)